地方創生・地域活性への提言その⑦「対外向けの自治体運営のユーチューブがイマイチ盛り上がらない訳」
来年弊社で運営していくコンテンツ案を色々考えていたときに、ふと、思った。
イマイチ盛り上がらない媒体の例として真っ先に思い浮かぶのは、自治体運営のユーチューブだなと。
こうならないように企画の中身を考えようと思ったのだった。
これ、対、地元の人向けのものなら、今のままでいいのだ。
例えば、地方自治の方向性や防災のこととか、地域の人に役立つサービスなど、今現在住んでいる人向けに発信するのなら、別に盛り上がるかどうかは関係なく、単なる情報を届ける手段としてはいい。
問題は、対外的に発信するコンテンツとして自治体がユーチューブをやっている場合だ。
そのほとんどが、正直、面白いとは思えない。というか、わざわざ観ようとは思えない。
そして、それをやっていることすら、おそらく、その地域の出身者以外は知らないのがほとんどだ。
地方創生企画に大きく欠落していること
自治体が発信している観光系のユーチューブが一番、地方創生企画に大きく欠落している点を説明するのにわかりやすい事例かもしれない。
なんだと思いますか?
それはですね、取り込むべき顧客ターゲットを全く意識してないってことです。
「いや、意識してます、意識して、観光でいい場所やふるさと納税でおすすめの商品を紹介しています!」って、もしも即答した時点で、おそらく、あなたの地域の媒体は、ダメだと思われます。
逆に質問しますが、あなたは、自分の出身地でもない何の縁もゆかりもない地域が運営するユーチューブ番組の視聴者ですか?
毎回楽しみに観ていたりしますか?
観ていないんじゃないでしょうか?
観ていないどころか、そんな番組があることすら、知らなくないですか?
知らないですよね??(笑)
興味なくないですか?
現実をちゃんとよく考えれば、そんなことぐらいわかるはずです。
自治体のPR戦略のほとんどが、単に、流行に乗って、他県もみんなやっているから、インスタキャンペーンをし、ユーチューブ番組をやっておく、っていう発想で予算取ってやっているのではないでしょうか?
インスタキャンペーンも、ユーチューブも、単なる、情報発信のツールに過ぎないのですよ。
問題は、その中身なのです。
企画が命なのです。
そこが、全然追いついていないのが、現状だと思います。
「楽しくなければテレビじゃない」のコピーと一緒。「興味を持たれなければPRにならない」
昔、フジテレビのコピーで、楽しくなければテレビじゃない、っていう有名なコピーがありましたが、あれに例えていうなれば、興味を持たれなければPRにならない、と言えます。
まして、そんなユーチューブがあることも地域外の人に知られてないって状況だとしたら、何のためにやるのか?
私は、20代ずっと雑誌を作ってきました。
なので、常にターゲット読者を意識し、買ってもらえる企画、反響のある企画を考え作ってきました。無料で閲覧できるユーチューブとは違います。企画内容を有益だと思ってもらい、書店でお金を出して毎月買ってもらわないといけなかったのです。
視点は、常に自分や周囲の人間じゃなくて、ターゲットの読者なんですよ。
何に、メリットを感じてもらえるのか?楽しませてあげられるのか?を考えるのがつくり手の発想です。
その企画立案の視点が欠けているから、多くの自治体のユーチューブはあまり話題にならないし、地元関係者やゆかりのある人にしか観てもらえないのです。
押し売り広告情報を時間使って自ら観に行く人はいますか?
こんなにいいところです。➡ぜひ、観光で来てください!(観光誘客の広告)
こんなに美味しいものが食べられます。➡ぜひ、ふるさと納税をお願いします!(物販の広告)
地元の有名人が登場します➡ 地元では偉い人なんです、話聞いてください!(芸人並みのトークでもない、面白くもない、知らない一般人のオジサンの話を聞く苦痛な時間・笑)
こんなコラボキャンペーンをやっています。➡ だから、ぜひ、観光に来てください(広告)
今度映画のロケ地になりました!➡ だからなんですか?(自慢・笑)
これって、あなたの時間を使って、ご当地への勧誘広告を観に来てくださーーーーい!って番組になってませんか?
なぜ内輪受けの、つまらないものになってしまうのか?
なんで、どこの地域の動画もこうなってしまうのでしょうか?
それはですね、視聴者ターゲットを設定していないからなんです。
いますよーーー、県外の人です!って、言ったそこのあなた、ブブ―――――、アウト!(笑)
全員がターゲットとは、誰もターゲットじゃないと一緒のことなんですよ!
マーケティング、ブランディングを学んだ人には、当たり前中の当たり前のことなのです。
ブランディングノウハウを学ばずして、PR目的のコンテンツ運営やイベント出展、広告出稿など、本来は、絶対にやってはいけません!!!
なぜなら結果が出せず、お金をドブに捨てることになるからです。
PRとはそもそも、ターゲット顧客の心を掴む企画を作り、それらの人の目に触れるような仕掛けをつくり、情報発信をし、さらには、買ってもらうことに繋げていくためにするものです。
これを考えれば、今のような企画にはならないはずです。
企画を考える前に、まず、観光地の集客のためのブランディングに必須の、ターゲット設定のあぶりだしを必ずしましょう。
次に、その顧客を惹きつける企画を考えましょう。
いくら地位があるとしても、話のつまらないオジサンを司会とかにしちゃダメよ!(笑)
3分で動画閉じられちゃうからね。
あなたが、その地域に何も縁もゆかりもないとして、その動画は面白いですか?
まずは、そこから、考えてみましょう!
広告出稿やイベント出展、情報発信は一番最後。
その前に行うのが企画立案。
さらにその前に行うのが、ブランディングの方向性を決めることです。
順番間違えずにやっていきましょう!